目次
1. はじめに
本記事の目的
最近の例大祭では、とても喜ばしいことに若い世代のサークル参加の方が増えています。しかしながら、「サークル参加のやり方が分からない」という声や、「実際に参加したけれど苦労した」という声を耳にするようになりました。
この記事では初めてサークル参加する人に向けて、分かりづらそうなところや躓きそうなところを解説します。一気に記事を書くと長くなってしまいますので、全3回の連載予定で小分けに記事を出していこうと思います。今回の記事が1回目の記事です。続きの記事も追って公開していきますので、興味のある所だけでも構いませんので目を通していただけたらと思います。
本記事は今回以降も継続して公式Webに掲載し続ける予定ですが、内容については皆さんのご意見を反映してどんどん改良していこうと思っていますので、ぜひサークル参加経験者の方も読んでいただいて、ご意見いただけたら幸いです。また、何人かの作家さんに内容を確認してもらってはいますが、あくまでもスタッフ視点からの記事ですので、実際の作品の作り方のテクニックなどには触れません。そういった記事は実際に作成されている人の書いたものがWebを探すと結構見つかりますので、ご自身にあった記事を探していただけたら良いかなと思います。それでは、よろしくお願いします。
本記事の要約
1回目となる本記事の内容は主に以下の通りです。主にサークル参加申込前に読んでいただきたい内容となっています。
- サークル参加をする前に知っておいた方がよいこと
- 同人誌即売会には「お客様」は存在しません。サークルも一般も、そしてスタッフもみんな「参加者」です。「参加者」として、参加方法は必ず読んでください。
- 物を頒布するということには責任が伴います。関連の法律や二次創作ガイドラインなども勉強していきましょう。
- サークル参加をするためには
- 例大祭は春と秋に開かれ、参加するにはそれぞれサークル参加申込が必要です。申込期間があるので余裕をもって申し込んでください。
- 申込前に必ず申込方法を確認しましょう。公式Web「サークル参加申込の方法」ページはかなり細かく書いてありますのでご参考に。
- 学割は先に申し込みが必要です。かなり安くなるので、学生の方は忘れずチェックしましょう。
- サークル参加申込は間違えないように注意しながら入力しましょう。特にメールアドレスは気を付けてください。
- 成年向け頒布物「あり」で申し込むときは更に注意事項が増えるので気を付けましょう。
- サークル参加申込が終わった後
- もし間に合わなくても二次募集があるかもしれませんが、色々デメリットがあるのでなるべく一次で申し込みましょう。
- そのあとの流れ(スケジュール)を確認しましょう。受付リスト・配置リストが出たらそれぞれ確認しましょう。
それでは、始めていきます。よろしくお願いします。
2. サークル参加をする前に知っておいた方がよいこと
サークル「参加者」ってなんですか?
最初にちょっと難しい、でも大事な話をします。これを知っているかどうかで考え方が変わると思いますので、ぜひ飛ばさず読んでください。
例大祭は同人誌即売会です。同人誌即売会とは、同人誌を頒布するための「場」です。同人誌即売会というものが出来た頃より、同人誌即売会とは「参加する人がみんなで作っていく場」として定義されてきました。同人誌即売会では参加する人を「参加者」と呼んでいます。代表的な参加者として「一般参加者」「サークル参加者」「スタッフ参加者」などがいますが、これらは参加形態は違えど皆対等で、同人誌即売会という「場」をみんなで作っていく仲間です。同人誌即売会に「お客様」は存在しません。「一般参加者」も「サークル参加者」も、どちらも参加費を払って自分の意志で同人誌即売会に参加している「参加者」であることを忘れないでください。
これらの話はスタッフについても同じです。一般参加者・サークル参加者からはそれぞれ場を維持するための費用として「参加費」をいただいていますが、スタッフは参加費の代わりに労働力を提供しています。スタッフは労働力の対価のお給料などは一切もらっておらず、当日の会場までの交通費などは自分で払っている、あくまでも「参加者」です。また、例大祭を運営している博麗神社社務所も営利企業ではありません。例大祭のスタッフはみな別に本業や学業を持っており、空いている時間を使って例大祭の作業をやっている、皆さんと同じ「参加者」であることを忘れないでください。たとえば、営利企業と同じように即時のメール対応などを求められても対応できないことがあります。どうかご理解ください。
さて、「参加」するということは、ただ「その場に行く・いる」ということではありません。場を作っていくことに自ら協力するということであり、そのために場のルールや必要なことを自分自身で調べて学んでいただくことも「参加」することの一部です。もちろん私たちはそれがスムーズにいくように様々な各種参加案内などを書いて出していますし、分かりにくいという意見をいただいたら修正しています。しかし、どんなに案内を出してもそれを読んでいただけなかったら意味がありません。どうすれば参加できるのか、どのように参加すればよいのか、基本的には全て案内として書いてあります。この文章もそうですが、公式Webの「サークル参加の方へ」の内容、特に開催約一か月前に公開されるサークル参加案内(参考:第二十一回博麗神社例大祭「サークル参加案内」)にはまず目を通してください。その上で分からないことがあれば、遠慮なく問い合わせていただければと思います。
サークル参加で出来ることと「同人誌」の意味
例大祭にサークル参加すると、そのサークル用の頒布スペース(以降「スペース」)が与えられて同人誌・同人グッズ・同人ゲーム・同人音楽など(以降、全てまとめて「同人誌」と表記します)を頒布することができるようになります。逆に言うとサークル参加をしていなくては同人誌を頒布することはできません。ちなみに「頒布」というのは販売・交換・無料配布などを全て含む言葉として使われています。同人誌即売会ではよく使われる言葉なので覚えておきましょう。
さて、同人誌というのは「同好の士が集まって自費で出版するもの」と定義されています。いわゆる企業が発行するものは同人誌ではありません。企業や編集などを通す必要がないので、日本国の法律や東方Project二次創作ガイドラインなどいくつか守らなければならないものを守っている限り、皆さんが作りたいと思ったものを自由に作ることができるのが同人誌です。しかしながら、「ものを作って売る」ということには当然ながら責任が伴います。皆さんの中にはX(旧Twitter)やPixivなどで既に絵を公開したことがある方も多いと思いますが、公開するのと実際にモノとして印刷して売るのとでは責任の意味や範囲が変わってきます。同人誌は基本的に皆さんが個人で作るものですから、作ったもの、頒布したものに対する責任は皆さん自身が負うものです。たとえば、作ったものが全く売れなくても、誰もその印刷費を肩代わりはしてくれません。印刷したものが法律に引っかかっていて頒布できない、というようなことも稀に起こります。また、(東方Projectではガイドラインを守っている限りあまり心配ありませんが)同人誌がファン活動を逸脱していると公式が判断した場合、最悪訴えられてしまう可能性があります。
このようなことが起きないよう、どんなものを作ってはいけないのか、どのように作ればいいのかなど、自分自身で学んでいただく必要があります。しかもこれらは、例えば法律や時勢の変化で急に変更になることがあります。私たちも出来る限りの発信はしていきますので、皆さん自身も常に情報・知識をアップデートしていく姿勢を忘れないようにしてください(これら法令などについては、本記事の第2回でご説明する予定です)。
ここまで難しいことを言ってきましたが、最初からすべてを知っている人なんていません。サークル参加して物を頒布すること自体は、少しのお金があれば誰でもできることです。最初から背伸びせず、だんだん勉強しながらステップアップしていくとよいと思います。まずは恐れずチャレンジしてみましょう。
「博麗神社例大祭」と「博麗神社社務所」について
博麗神社例大祭は東方Project関連のイベントとして最大であると自負していますが、東方Projectの公式のイベントではありません。「博麗神社社務所」という非営利の準備団体が運営する、あくまでも非公式のファンイベントです。東方Project原作者のZUNさんには毎回参加していただいていますが、ZUNさん自身が例大祭を運営しているわけではありません。たまに勘違いされている方がいらっしゃいますので、ここで改めてお伝えしておきます。混同しないようお気を付けください。
3. サークル参加をするには
まずは例大祭の開催日程とサークル募集期間をチェックしよう。
現在、例大祭は大きく2つ、春の5月頃に行われる「博麗神社例大祭」と、秋の10月頃に行われる「博麗神社秋季例大祭」があります。昔はサークル数の多い春、企画の多い秋という形で分かれていましたが今では殆ど差はありませんので、参加したいと思ったタイミングで近い方の例大祭に参加すればよいと思います。
サークル参加をするためには事前に「サークル参加申込」をする必要があります。当日の朝までチケットを購入できる一般参加と違い、サークル参加申込は期限が決まっていて、しかも開催日より3~4か月ぐらい前という早いタイミングで行われます。例年だと春の例大祭は1月ぐらい、秋の例大祭は7月ぐらいが申込締切です。申込締切を過ぎてしまうと次の例大祭まで参加できなくなってしまうので、まずは公式WebやX(旧Twitter)でサークル参加申込期間をチェックして、遅れないように参加申込をしましょう。特に初めて申し込む場合は、参加費の入金などで手間取ることが予想されます。申込期限ギリギリで申し込もうとして間に合わなかったという話も聞きますので、余裕をもって申し込むように心掛けてください。
Circle.msに登録しよう。
現在の例大祭のサークル参加申込は、Circle.msというWebサービスを使用してのオンラインでの申込のみとなっています。Circle.msはコミケなどのサークル参加申込やWebカタログなどを提供しているWebサービスで、博麗神社社務所が運営しているわけではありません。例大祭自体のことをCircle.msに尋ねたり、逆に申込システムのことを博麗神社社務所に質問されたりしてもお互いに答えられず、回答が遅れる可能性がありますので、切り分けてお考え下さい。
さて、Circle.msのサービスを利用して例大祭にサークル参加申込をするためにはこちらからCircle.msに登録する必要があります。登録するだけであればお金などはかかりません。そんなに難しいことはないと思いますが、Circle.msにもヘルプがありますのであわせて参照しながらご登録ください。分からないことがあればCircle.msにお問い合わせください。
学割を申請するには
(illust:saltさん)
現在、例大祭ではサークル参加申込の学生割引を行っています。これを読んでいる人の中には学割の対象の人も多いと思います。1スペース(以降SPと略します。申込スペース数については後ほど詳しい説明が出てきます)申込だと半額近くまで割引されるので、対象の人は使わないともったいないです。こちらと公式Web「学割について」をよく読んで、ぜひ有効に学割を使ってください。「学割について」ページの説明がかなり詳しいので、実際に申請する際は必ずそちらをご覧ください。
ご注意
ご注意
- 学割申請はサークル参加申込より先に行ってください。参加申込を先に行ってしまうと、後から学割を適用することはできません。
- 学割の申請期間はサークル参加申込より短く設定されています。締切間際に学割申請を行おうとしても間に合いません。
- 学割を申請すると付与される照合用コードを他人に教えないでください。照合用コードが重複して使われるとどちらも落選になります。
- 学割による申し込みは専用ページを使用します。通常ページから申し込んでしまうと学割が適用できませんのでご注意ください。
さて、それでは最初から解説していきます。学割には適用条件が2つあります。1つは学校条件で、「有効な学生証または生徒手帳を所持していること」が必要です。学校については特に制限していませんので、基本的にどんな学校でも大丈夫です。もう1つは年齢条件で、開催日時点で浪人・留年などを一切していない状態で大学四年生である学年の人までが適用対象です。どちらか片方でも満たしていないと適用対象とはなりませんのでご注意ください。また、学割を申請するためには本人がサークル代表者である必要があり、例大祭開催日時点で義務教育を修了している必要があります(つまり5月に開催される例大祭では、3月に卒業する中学3年生は適用対象です)。例大祭開催日時点で義務教育を修了していること(または修了予定であること)はサークル参加申込条件でもありますので、満たしていないとそもそもサークル参加申込をすることができません。
条件を満たしていることを確認したら、サークル参加申込をするより先にまず学割申請を行ってください。サークル参加申込を先に行ってしまうと、後から学割を適用することはできません。また、学割の申請期限はサークル参加申込より一週間ほど早く設定されています。学割の承認は手作業で行っているため、申請から付与まで一週間程度かかることを見込んでいるためです。とにかく早く、まず学割申請を済ませることをお勧めします。
申請はGoogleフォームに情報を入力して行います。画像アップロードにGoogleアカウントが必要なため、Googleアカウントでのログインが必須の設定になっていますので、持っていない方は先にGoogleアカウントを作成してからご利用ください。また、申請時には学生証の写真が必要です。画像の形式や写っている必要のある内容など細かい規定がありますので、よく読んで間違えのないように申請を行ってください。内容に不備がなければ、一週間ほどで照合用コードと申込用URLがメールで送られてくるはずです。もし来ていない場合は、迷惑メールに入ってしまっている可能性がありますので、まずは迷惑メールフォルダを確認して、それでも見つからなければ問い合わせフォームより問い合わせを行ってください。
学割のサークル参加申込は、専用のCircle.msのページを使用して行います。このページのURLは学割承認メールの中にしか記載されていませんので、メールを破棄してしまわないようご注意ください。また、間違えて通常の申込ページから申し込まないようにご注意ください。通常のページから申し込んでしまうと学割は適用できません。払い込みまで終えてしまうと、例大祭としてはもうそのままの金額で受領することしかできません。学割申込のページでは、入力フォームの最初に照合用コードの入力欄があります。この欄があることを確認して申し込むようにしてください。
また、照合用コードは学割申請をされた方ごとに付与される固有のものです。他の人には絶対に教えないようにご注意ください。もし同じ照合用コードが複数回使用された場合、申込金額不備として重複しているすべての申込は落選として処理します。この際、申込金額不足扱いとなるので落選による返金は行われません。お気を付けください。
例大祭にサークル参加申込をしよう。
それでは、実際にサークル参加申込を行っていきましょう。申込の際は、まず公式Webのサークル参加申込関連の内容をすべて読みましょう。特に重要なのが公式Web「サークル募集要項」ページです。申込期間や金額、スケジュールなどの重要なことがまとまっている場所ですので、必ず熟読してください。
読んでもわからないことがあったら、公式Web「サークル参加申込FAQ」ページを見てみましょう。初心者がつまづきそうな内容やよくある質問が網羅されています。
これを読んでもわからないことがあるようでしたら、公式Web「お問い合わせ」ページより「サークル参加お問い合わせ」を選択してお問い合わせください。なお、問い合わせの回答には数日~1週間ぐらいの時間をいただくことがあります。申込締切間際のお問い合わせには対応できないこともありますので、余裕をもってお問い合わせください。
準備が整ったらCircle.msの申込ページからサークル参加申込を始めましょう。申込ページへのリンクは、通常価格で申し込む方は公式Web「サークル募集要項」ページの中に、学割を利用して申し込む方は(申請に問題がない限り)学割申請後1週間程度で送信されるメールの中に、それぞれ記載されています。先ほど作成したCircle.msのアカウントでログインして、申込を始めてください。
サークルカットの描き方
(illust:もや造さん)
初めて申し込みをするときに悩むものの一つがサークルカットではないでしょうか。サークルカットは、即売会ごとに決まった大きさで描いてもらうサークルのPR用イラストのことで、主にカタログでサークル配置順に並べられ、どこにどんなサークルがいるかをほかの参加者が分かりやすくするためのものです。描く内容は特に決まりはなく、イラスト一枚のみの人もいれば、どんなものを出す予定かを細かく書いている人もいます。特に一般参加者にはカタログのサークルカット全てに目を通して気になったサークルに全部行くという人もいますので、描き方を工夫して多くの人の目に留まるようにしましょう。
サークルカットには形式やサイズなど細かい規定があります。Circle.msと公式Web「サークル参加申込の方法」ページの「6.サークルカットを登録する」に詳しく載っていますので、こちらを参照して形式に合うように作成しましょう。サークルカットにはテンプレートがありますので、テンプレートをダウンロードして設定を変えずに作成すれば基本的には大丈夫だと思います。サークルカットのサイズは1SP申込か2SP申込かで異なりますので、自分の申込に合わせてダウンロードするようにしてください。
カタログは白黒印刷ですので、カラーのサークルカットには対応していません。グレースケールであれば大丈夫ですが、印刷時にボヤけてしまってあまりきれいに印刷されない可能性があります。多少手間でも、白黒二値で描いた方がカタログにはきれいに印刷されますので、なるべく白黒二値で描くことをお勧めします。アップロード時に二値化することも可能ですが、意図しない変換をされてしまう可能性もあるので、変換する場合もなるべくご自身で変換してからアップロードを行うことをお勧めします。
サークルカットは申込期間内であれば何度でも差し替えることが可能です。サークルカットを描くのに時間がかかるようであれば、とりあえず仮のサークルカットを使用して申込だけ済ませてしまう方が良いかもしれません。ただし、毎回その仮のカットのまま申込期間が終了しカタログに載ってしまう人が見受けられます。期間内に必ず修正するよう気を付けてください。
サークルカットの内容はなるべく頒布予定物に合わせてください。例えば、メインキャラ欄にも配置備考欄にも「霊夢の本です」と書いてあるのにサークルカットがチルノだったりすると、配置の時に困ります。カタログでも霊夢が並んでいる中に一人だけチルノの絵が入ることになるので見栄えが悪いと思います。逆に目立つと思う人もいるかもしれませんが、カットと頒布物の不一致は書類不備扱いですので抽選時には明確に不利になります。お気を付けください。
カタログは色々な人が見る可能性があります。サークルカットに過激な表現をすることはなるべく避けてください。特に成年向けで申し込みをされる方は、サークルカット内に露骨な性描写をすることは控えていただくようにお願いします。
「スペース」について
ここまでにも何度か出ていますが、サークル参加申込には大きく分けて「通常1スペース(1SP)」と「通常2スペース(2SP)」の2種類があります。
申込プラン | 内容 | 通常価格 | 学割価格 |
---|---|---|---|
通常1スペース | 机半分、椅子2脚、入場証2枚 | 7,400円 | 4,700円 |
通常2スペース | 机1本、椅子4脚、入場証4枚 | 14,600円 | 11,200円 |
アナログゲームプラン | 机1本、椅子4脚、ゲーム用試遊スペース(机2本+椅子4脚)、入場証4枚 | ||
デジタルゲームプラン | 机1本、椅子4脚、入場証4枚、電源 |
これらに加えて「アナログゲームプラン」「デジタルゲームプラン」というものがありますが、これらは2SPに特殊なオプションが付くものであり、広さは2SPと変わりません。この2つは、サークルスペースの広さ・椅子の数・発行される入場証の数が異なります。基本的に1SPに対して2SPは全てが倍になり、金額もおよそ倍(少しだけお得です)になっています。1SPだと机の半分、広さにして45cm×90cmが頒布スペースになります。
申し込みのおよそ7割が1SPでの申込であり、主に2SPを取るのは、頒布物の種類が多くて1SPでは収まりきらない場合です。初めてのサークル参加でそんなに頒布物が多いことはあまり考えられませんので、初めて参加するのであれば1SPで問題ないと思います。ただし、1SPだと入場証が2枚しか発行されませんので、たとえば4人でサークル参加する場合などで、全員開会前の準備の時間から会場内に入りたい場合などは2SPを検討してみてもいいかもしれません。4人のうち2人は開会後に入るのでも構わない場合は、通常1SPで申し込んだうえで2人は一般参加入場券を買って入場する方が金額的には安くなります。お財布と相談して決めてください。
メディアコード・作品コードの選び方
例大祭の申込時に配置場所に大きく左右される要素として、「メディアコード」「作品コード」「成年向け頒布物の有無」があります。「成年向け頒布物の有無」については後ほど解説しますので、ここでは「メディアコード」「作品コード」について解説します。
「メディアコード」「作品コード」は、サークル配置時にサークルをまとめて配置していくための基本情報となるコードで、基本的に同一のコードを使って申し込んでいる人は近い場所に配置されるようになっています。基本的にサークルで出す予定のものを選択していただくのですが、複数の作品を出して選ぶのが難しい場合は、自分が一番メインだと思っているものか、自分が配置されたい場所のコードを選択するようにしてください。
メディアコード
「メディアコード」は頒布する作品が本・グッズ・CDなどのうちどれなのか、本ならばイラスト・漫画なのか小説なのかその他(評論や写真集など)なのか、というように分かれています。グッズの区分は少しわかりにくいかもしれませんが、悩んだ場合は直感で選んでください。グッズの場合は「メイングッズ」欄や「配置希望の補足説明」欄の記入内容の方が重要です。
メディアコード一覧
メディア大分類 | 配置メディアコード | メディア中分類 | 例・備考 |
---|---|---|---|
本 | 10 | 漫画・イラスト | 絵を用いた冊子は全てこのコード |
11 | 小説 | ||
12 | その他本 | ||
デジタル | 20 | 音楽 | 音楽CD、その他音楽関連は全て(スコアなどを含む) |
21 | デジタル(電源)ゲーム | アナログ(非電源)ゲームは31 | |
22 | 映像 | CG集、アニメ動画など。実写動画は23 | |
23 | デジタル写真集 | コスプレCDなど。本のみの場合は12 | |
24 | その他デジタル作品 | 上記に当てはまらないデジタル作品 | |
グッズ | 30 | 立体造形物 | ガレージキット、フィギュア、ぬいぐるみなど |
31 | アナログ(非電源)ゲーム | カードゲーム、ボードゲーム、スリーブなどのゲームサプライ | |
32 | 布物 | 衣類、タオル、布バッグ、抱き枕カバーなどの布製品 | |
33 | 装飾品 | アクセサリー、キーホルダー、バッジ、ストラップなど、主に「身に着ける」もの | |
34 | 日用品 | 食器類、文房具、PC用品、携帯電話用品、季節小物など、主に「使用する」もの | |
35 | イラスト | ポスター、タペストリ-、ラミカ、イラストボードなど、主に「飾る」もの | |
36 | その他グッズ | 上記以外のグッズ | |
その他 | 90 | その他 | 主な頒布物が上記以外、または頒布を主目的とした参加ではない場合 |
作品コード
「作品コード」は主に本(メディアコード10番台)用のコードで、メインで登場するキャラの初出作品のコードを選んでください。一方、音楽やグッズでは作品コードは殆ど参照しません。便宜上選んでいただく必要がありますが、もし悩む場合は「Z(その他)」を選択していただければ問題ありません。
作品コード一覧
コード | 作品 | キャラクター・補足 |
---|---|---|
A | 主人公組 | 博麗霊夢、霧雨魔理沙 |
B | 東方紅魔郷 | ルーミア、大妖精、チルノ、美鈴、パチュリー、小悪魔、咲夜、レミリア、フランドール |
C | 東方妖々夢 | レティ、橙、アリス、リリーホワイト、ルナサ、メルラン、リリカ、妖夢、幽々子、藍、紫 |
D | 東方永夜抄 | リグル、ミスティア、慧音、てゐ、うどんげ、永琳、輝夜、妹紅、豊姫、依姫、レイセン |
東方儚月抄 | ||
E | 東方花映塚 | メディスン、幽香、小町、映姫 |
F | 東方風神録 | 静葉、穣子、雛、にとり、椛、文、早苗、神奈子、諏訪子、はたて |
東方文花帖 | ||
ダブルスポイラー | ||
G | 東方地霊殿 | キスメ、ヤマメ、パルスィ、勇儀、さとり、燐、空、こいし |
H | 東方星蓮船 | ナズーリン、小傘、一輪、雲山、村紗、星、白蓮、ぬえ |
I | 東方神霊廟 | 響子、芳香、青娥、屠自古、布都、神子、マミゾウ |
J | 東方輝針城 | わかさぎ姫、赤蛮奇、影狼、弁々、八橋、正邪、針妙丸、雷鼓 |
K | 東方紺珠伝 | 清蘭、鈴瑚、ドレミー、サグメ、クラウンピース、純狐、ヘカーティア |
L | 東方天空璋 | ラルバ、ネムノ、あうん、成美、舞、里乃、隠岐奈 |
M | 東方鬼形獣 | 瓔花、潤美、久侘歌、八千慧、磨弓、袿姫、早鬼 |
N | 東方虹龍洞 | ミケ、たかね、駒草、魅須丸、典、龍、千亦、百々世 |
O | 東方獣王園 | 美天、慧ノ子、ちやり、日狭美、残無 |
V | 東方萃夢想 | 萃香、衣玖、天子、こころ、菫子、女苑、紫苑、尤魔 |
東方緋想天 | ||
東方非想天則 | ||
東方心綺楼 | ||
東方深秘録 | ||
東方憑依華 | ||
東方剛欲異聞 | ||
W | 秘封俱楽部 | 宇佐見蓮子、マエリベリー・ハーン |
X | 東方香霖堂 | 霖之助、朱鷺子、サニー、ルナ、スター、阿求、華扇、小鈴、美宵、瑞霊 |
東方三月精 | ||
東方求聞史紀 | ||
東方茨歌仙 | ||
東方鈴奈庵 | ||
東方酔蝶華 | ||
東方智霊奇伝 | ||
Y | その他作品 |
旧作キャラ 他 ※他コードへの配置を希望する場合はその旨備考欄記入の上希望コードを選択してください |
Z | その他 | オールキャラ・キャラを指定しない頒布物(評論・攻略・音楽など) |
メインのカップリングが複数の作品コードにまたがる場合
たとえばマリアリ(魔理沙とアリスのカップリング)の場合は、魔理沙(主人公組の「A」)かアリス(妖々夢の「C」)のうちご自身でメインだと思う方を選択してください。
合体申込となかよしコード
合体申込
合体申込というのは、2つのサークルが一緒になって1つの机に配置されるように申請することです。一人でサークル参加するとトイレに行くのも大変ですから、知り合いがいるようであれば一緒に参加すると当日は便利です。また、特に初めての参加の時は隣に経験者がいると安心感が違うと思います。
ご注意
ご注意
- 基本的には同一メディア・同一作品コードで同一キャラクター・カップリングである必要があります。コードが異なっていた場合、社務所の判断でどちらかのサークルのコードに強制的に寄せられます。
- 3サークル以上で合体することはできません。3サークル以上で"合体"したい場合は後述する「なかよしコード」を利用してください。
- 複数サークルでサークルカットを前後に配置して1つの絵を作る行為(いわゆる「連カット」)は基本的に禁止です。例大祭では書類不備扱いにまではしませんが、正しく並ぶことを一切保証しません。
合体を行う場合、まず片方のサークルが申込を済ませ、発行されるCircle.msの合体先IDと合体キーをもう片方のサークルが入力する必要があります。手順が分かりにくく迷われる方が多いところなので、合体申込時には必ずCircle.msの合体についての説明をよく読んで申し込んでください。
なかよしコード
さて、第二十回博麗神社例大祭から常設化された「なかよしコード」をご存じでしょうか? 例大祭の独自企画で、「なかよしコード」と呼ばれている英数字10文字(例:Hakurei016、1341Sakuyaなど)の文字列を自由に設定して複数のサークルが書いて申し込むと、それらのサークルが一緒に配置されるというものです。合体との違いは、3サークル以上で疑似的に合体できたり、なかよしコードを公開してプチオンリーなどの企画を行うことができたりするというものです。プチオンリーのように参加サークルを公募する場合は別ですが、仲間内で集まりたい場合はなかよしコードは公開しないようにしましょう。例大祭公式Webでは、なかよしコードを利用した企画の主催者のご要望に応じて「なかよしコード仲間募集」ページを作成しています。興味のある企画があったら、なかよしコードを入力して参加してみるのも面白いかもしれません。
「発行誌名」なんて決まってない!
発行物の記入欄も申し込みの時に悩む内容の一つだと思います。申込をする時点では誌名なんて決まっていないという方も多いでしょう。実際、私たちも誌名はそんなに重要視していないので、決まっていなければ「霊夢の本(仮)」ぐらいの仮タイトルで構いません。発行物記入欄は主に配置の時にそのサークルの出すものの傾向・物量から配置場所を選考する基準の1つとして使用するものです。なるべく細かく書いていただいた方が配置時には助かるのですが、決まっている範囲・または「これくらい出したいなぁ」という希望ぐらいのつもりで書いていただいて結構です。
記入例
# | 頒布物名 | 発行日 | 頒布価格 | 持込数 |
---|---|---|---|---|
1 | 新刊 | 20241020 | 500 | 50 |
2 | 誰か助けて | 20240503 | 500 | 50 |
3 | 供給過多 | 20231112 | 500 | 50 |
4 | 家康、桶狭間に沈む | 20230507 | 15600 | 30 |
5 | しゅうかつよりだいほん!~はじめてのなまほうそう~ | 20221023 | 210 | 25 |
また、多少発行物が変更になっても、記入内容の変更の申請を出していただかなくても構いません。発行部数が大幅(100部が3000部になるとか)に変わる場合などはご相談いただきたいのですが、現時点ではほとんど心配しなくて大丈夫です。
配置備考の補足事項って?
「配置備考の補足事項」欄という名称が分かりにくいのですが、この欄はサークルの配置時に参考にするための情報を記入してもらうための欄です。この欄には大きく分けて2つの内容を記入してください。
- 一つは、頒布予定物の詳細な情報です。こちらも「霊夢の本です」だけしか書いてないと殆ど参考にならないので、予定でもいいですから例えば霊夢以外に誰か出てくる予定があるのか、ほのぼの系なのかシリアス系なのかなど、書ける範囲で詳しく書いていただけると助かります。
- もう一つは、配置時に特別に考慮してほしい希望がある場合です。例えば、「車椅子なので外に出やすい場所に配置してほしい」などのようなものです。ただし、実際に反映されるかは配置担当者の裁量によります。「広いスペースが欲しい」などの要望は聞いているとキリがなく基本的に無視していますので、どうしても通してほしい要望がある場合はしっかりと理由を書くようにしてください。
間違えないように入力しよう
(illust:babaさん)
さて、一通り入力は終わったでしょうか。送付する前に、必ず入力内容をチェックするようにお願いします。ここでは、入力ミスの多いところ、間違って入力すると致命的なところなどを幾つかお伝えします。
申込内容チェックリスト
サークル代表者基本情報
サークル基本情報
サークル配置情報
サークルカット
- まず、記入ミスが多くて致命的な所はメールアドレスです。メールアドレスが間違っていると当選・案内メールをはじめこちらからの連絡が一切届かなくなるため、間違えていないかを必ず確認してください。
- また、URL・X(旧Twitter)なども入力ミスの多い箇所です。一度コピーしてブラウザに貼って、ちゃんと飛べることを確認していただくことをお勧めします。
- あとミスの多いところだと住所でしょうか。郵便番号の自動入力では番地までは入力されないためか、住所が途中で止まっている人はとても多いです。現在住所を使う機会は殆どありませんが、何かの時の連絡のために必ず正しい住所を記入するようにお願いします。また、特に4月前後は卒業や就職で住所が変更になることが多い季節です。変更になることが分かっている場合は、最初から変更先の住所で申し込んでいただくようにお願いします。
- そして、くれぐれも成年向け頒布物の有無については十分気を付けてください。詳しくは次の項目で説明します。
成年向け頒布物の有無について
成年向け頒布物の有無(以降「成年向け有無」)についての注意事項です。前提として、若年層の参加者の多い例大祭では成年向けスペースとそれ以外をかなり明確に分けるようにしています。このため、成年向け「あり」で申し込んだ場合は、成年向けサークルの集まっているエリアに配置されます。成年向け「なし」として申し込みを行い、成年向け「あり」のスペース以外に配置されている場合は、成年向けの頒布物を頒布することはできません。成年向け頒布物を頒布する予定がある場合は、必ず成年向け「あり」として申し込んでいただくようにお願いいたします。
そしてこれも十分気を付けていただきたいのですが、合体やなかよしコードで連結申込を行う際に1サークルでも成年向け「あり」のサークルが入っていると、そのサークルと合体・連結しているサークルは全て成年向けエリアに配置されてしまいます。たとえばなかよしコードで10サークルが連結していたとして、そのうち9サークルが成年向け「なし」でも、1サークルが成年向け「あり」であれば、10サークルとも成年向けエリアに配置されることになります。望まない配置になってしまう可能性が高いですから、合体やなかよしコード利用の際はお気を付けください。
また、繰り返しになりますが、サークルカットでは成年向け表現を控えていただくようご協力をお願いいたします。
4. サークル参加申込締切後
サークル参加申込締切を過ぎてしまった…
毎回「募集に間に合わなかったのですが何とかなりませんか?」というお問い合わせを何件かいただきます。募集スペース数を満了していた場合はどうにもなりませんが、満了していない場合は二次募集を行うことがあります。お問い合わせいただいても対応はできないので、二次募集が行われるか否かのアナウンスを待ってください。
ただ、二次募集は必ず行われるわけではないことに加え、いくつかのデメリットが存在します。
二次募集はサークル募集枠が小さく、超過した場合は二次募集で応募したサークルの中だけで抽選を行います。また、申込金額が少し高く設定され、学割も使用できません。二次募集はサークルに向けての救済策としてご用意しているものですが、実質的に締切の延長になってしまうようでは一次募集でちゃんと申し込んでくれたサークルに申し訳が立たず、また一次募集と二次募集を分ける意味がなくなってしまうため、今後二次募集の利用者が増加傾向にあるようであれば更にデメリットを追加する可能性もあります。なるべく通常の申込締切に間に合うよう申し込んでいただくようお願いいたします。
今後のスケジュールをチェックしよう。
申込受付終了後、実際にサークルが当選したかの発表が行われるのには2か月ほどかかります。日程については公式Web「サークル募集要項」ページ内に記載されていますので、準備をしながら当落発表を待つようにしましょう。
当然ですが、サークルが正しく受付されていないとサークルは正しく配置されません。当落発表の時点で受付がされていなかったことが分かっても間に合いませんので、例大祭では申込を正しく受理したサークルの一覧を申込終了後2週間程度で公開しています(参考:第二十一回博麗神社例大祭公式Web「一次募集サークル一覧」ページ)。このリストに自分のサークル名があることを必ず確認して、もし載っていなかったら至急社務所まで問い合わせるようにしてください。なお、この「受付リスト」はあくまでも受け付けたことを示すだけのリストなので、当選を保証するものではありません。
また、サークル名・ペンネーム・成年向け有無・メディアコードがもし間違っていた場合も、この時点で社務所に連絡してください。当落リストが発表されてから修正の申請をしても、カタログの掲載には間に合わず間違った情報のまま掲載されてしまいますので、ご注意ください。
サークル配置をチェックしよう。
例大祭当日約1か月半前になると、当選・案内メールの発送に先駆けて公式Webでサークル配置が公開されます(参考:第二十一回博麗神社例大祭公式Web「サークル配置」ページ)。サークル配置とは皆さんのサークルが会場内のどの場所に配置されるかを示す、会場内の住所のようなものです(例:い34ab、は90a)。自分や友人のサークルがどこに配置されているか確認しましょう。この時点ではサークル参加者向け会場図はまだ公開されていないため、あくまで配置番号が分かるだけです。具体的な配置場所については、当日約1か月前に公開されるサークル参加者向け資料(事前)をご覧ください。
X(旧Twitter)やpixiv、Fanboxなどを運用している方は、配置情報が公開されたらプロフィールや名前のところに配置スペースを入れておく(例:「博麗霊夢@例大祭ゐ99ab」)と、あなたが例大祭に参加することに気づいてくれると思います。多くのサークルがこのように配置スペースを入れているのを見るようになると、例大祭がいよいよ近づいてくるのを実感しますね。皆さんは頒布物の準備で大忙しな時期でしょうか。それとももう用意が終わって余裕綽々でしょうか。難しいとは思いますが、なるべく早め早めに準備しておくことをお勧めします。
5. 第1回むすび
さて、本記事はここまでです。第2回は、当選・案内メールが届いた後から当日に向けての準備事項や、頒布物の作り方、会場への搬入方法などについてご説明します。引き続きよろしくお願いいたします。
はじめてのサークル参加 ~その2 サークル参加準備編~